湘南から世界へ、“日本”を発信するパフォーマンス集団『ORIENTARHYTHM』のEikoさん

2018年春にリニューアルしたテラスモール湘南。これからも自分らしく前にすすむ湘南の皆様と一緒に歩んでいけたら。そんな想いを表す言葉として、「すすもう、湘南。」をテラスモール湘南は掲げました。

Terrace Mall Magazineでは、「自分らしく前にすすむ湘南の人々」のリアルな生き方を今回のリニューアルに重ねあわせ、イメージビジュアルにご登場いただくほか、インタビュー形式でもご紹介していきます。

今回は、ダンスで日本の世界観を表現し、各国で賞賛を受けるパフォーマンスチーム「ORIENTARHYTHM」のパフォーマンスアーティスト・Eikoさんです。

訪日外国人観光客は過去最高を記録し、2020年に向けてますます日本に注目が集まる今、“日本はどういう国か”を知ってもらう必要性が高まっています。そんな中、ダンスパフォーマンスで日本の独特な世界観を表現し、世界各地で絶賛されているパフォーマンスチームがいるのをご存知でしょうか。その名も“ORIENTARHYTHM(オリエンタリズム)”です。

その創設メンバーであるEikoさんは、ここ湘南を拠点として、世界を股にかけて活躍しています。世界を知るEikoさんにとって湘南とはどんな場所なのでしょうか。その活動と共にお話をうかがいました。

ダンスとの出会いは25歳

Eikoさんがダンスと出会ったのは、ダンサーとしてはかなり遅咲きの25歳。すぐにその魅力に取り憑かれ、ダンスの本場であるアメリカへと旅立ちます。ロサンゼルスでダンスを基礎から学んだEikoさんは、帰国後、ダンスに携わった仕事を志しました。

しかし、「それまではジャズダンスなどのクラスはありましたが、ヒップホップを教えるスポーツクラブはほとんどなかったんです」とEikoさん。けれども、かつてはフリーのエアロビクスインストラクターとして活躍していた彼女の実績からその願いが聞き入られ、クラスを開くことに成功。今ではごく普通に見られるヒップホップダンスのクラスですが、その先駆けとしてレッスンをスタートさせました。

活躍の場は、世界へ!

当初は大阪から始まったものの、やがて活躍の場は東京、ロサンゼルスと広がり、東京・大阪・ロスを3カ月ごとに回る暮らしに。そんなダンス漬けの日々のなか、「アメリカでダンサーとして活躍したい」との欲望がEikoさんに沸きあがります。

「当時の日本はアンダーグラウンドダンスが全盛で、自分の世界観を表現するようなアーティスティックな踊りが主流でした。でも私はハリウッドなどで多くのショーに触れていたので、もっと子どもからお年寄りまでを楽しませるようなエンターテインメントとしてのダンスで皆様に喜んでもらいたいと思ったんです」。

ヨーロッパから日本に逆輸入してブレイク

そんな時、ふとしたきっかけで出会ったのが、現在オリエンタリズムで活動を共にするサカクラカツミさん。ヌンチャクという日本古来の道具を使った独自のパフォーマンスに共感し、1999年にオリエンタリズムを結成することになります。

その活動の広まり方も独特で、ドイツでブレイクしたのをきっかけにまずはヨーロッパで活躍、その後ニューヨーク公演やドバイでの1カ月にわたる公演などを経た後、いわば逆輸入のような形で、ある日本のテレビで紹介されたのをきっかけに、その人気に火が付きました。

初期のドイツ・ハンブルグでの公演の様子

世界のダンサー憧れのレビューショーにも3回連続出場

ドバイでは1カ月公演も

「Do you like it?」

オリエンタリズムのコンセプトは、ダンスというエンターテインメントを通じて世界中の人々に“日本”を伝え、パフォーマンスを通じて何かしら日本的な部分を感じてもらうこと。この4月に行われた待望の単独公演「シュハリ」が、その集大成となりました。

空手や書道、さらには折り紙といった日本ならではの文化を取り入れ、巨大なスクリーンに映された映像とコラボレートしながら、『日本』を表現。ある時はわびさびを、そしてある時はしなやかさや力強さを。映像や音とシンクロしながら、ダンスで独特の世界観を昇華させていくさまは圧巻。

片時も目を離すことを許さず、観ているものをグイグイと惹きこんでいきます。そして一連のパフォーマンスを終えて最後にEikoさんが一言。「This is our style! Do you like it?」。強烈なインパクトを残し、幕が下がっても観客からの絶賛の拍手が鳴りやむことはありませんでした。

映像×音楽×ダンスの融合で、圧倒的なパフォーマンス

舞台を降りれば、ステキな笑顔

舞台ではその鬼気迫るパフォーマンスで観るものを圧倒するEikoさんですが、ひとたびステージを離れると、穏やかな表情と笑顔が素敵な一人の女性です。「結婚を機に辻堂に移住したのですが、ここは富士山が見えて、海があって、江ノ島があってと最高の場所。京都生まれの人間にとって、富士山や海がある景色は憧れのひとつなんです」

「ここ湘南に住む方は生き方が自由で、飾らない人が多いんですよ。時には“そんなことまで言っちゃうっ!?”というくらい、自分のことをぶっちゃけて話す人もいたりして(笑)。だから私も飾らずに、素のままの自分でいられる。舞台上の私を見て『Eikoさん、変身している…』と驚く方がいますが、湘南は鎧を脱ぎ捨てて自然体でいられる場所なんです」(Eikoさん)。

また、テラスモール湘南でも日常の買い物はもちろん、数多くのイベントに参加しているEikoさん。小さなお子さんにダンスを教えるイベントや、誰でもできる簡単な体幹トレーニングの方法などを教えたりと、多岐にわたって活躍しています。

“守破離”の精神で、さらなる進化を

最後に、集大成となる公演を終えた今、オリエンタリズムの今後を聞いてみました。「当初の目標であった『海外で長期公演をすること』もかない、また2人で始まったオリエンタリズムも3人となり、今までは5分程度のパフォーマンスしかなかったものが60分という長丁場のステージもできるようになりました。常に変化と進化を繰り返してきました。

しかしその根底にあったのは先の公演タイトルにもあった『守破離』。伝統を守り、型を破りつつ、新たな流れを創りだすこと。この日本古来から受け継がれた精神こそが、私たちオリエンタリズムの歴史とも言えるのです」

もっと高みへ!

「一つの壁を乗り越えるのはとても苦しいけれど、それを克服して生み出したものはとてつもなくスゴイもの。そんなことをダンスを通じて繰り返すことで、人間が分厚く、ひと回り大きくなっているのを実感しています。けれども、まだ達成感を得たわけではない。 “もっと上を目指せる”。漠然とした表現ですが、それが今の素直な気持ちです」(Eikoさん)。

「観衆のスタンディングオベーションこそが、最高の喜び」というEikoさん。穏やかな海を眺めながらそう語る彼女の眼には、海にきらめく光と将来への明るい未来が映し出されていました。

LINE

Eiko(えいこ)

京都府出身。パフォーマンスアーティスト。フィットネスインストラクターとして活動を開始し、1992年には日本ボディビル連盟京都府選手権大会で優勝。その後、ダンスに転向し、1999年、サカクラカツミと共に「ORIENTARHYTHM」を結成。現在に至るまで、世界各地で高い評価を受けている。パフォーマーと平行して、美的ボディと健康を提案するコンディショニングトレーナーとしても活動中。

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