水野亜彩子さん〜世界を舞台に活躍する湘南育ちの女性プロサーファー

2018年春のリニューアルで新しく生まれ変わるテラスモール湘南。これからも自分らしく前にすすむ湘南の皆様と一緒に歩んでいけたら。そんな想いを表す言葉として、「すすもう、湘南。」をテラスモール湘南は掲げました。

Terrace Mall Magazineでは、「自分らしく前にすすむ湘南の人々」のリアルな生き方を今回のリニューアルに重ねあわせ、イメージビジュアルにご登場いただくほか、インタビュー形式でもご紹介していきます。

今回は、湘南から世界に羽ばたき活躍している、女性プロサーファー・水野亜彩子さんです。

4年に一度行われるスポーツの祭典の正式競技にも採用され、さらに人気と注目が高まるサーフィン。ここ湘南は言うまでもなく、日本におけるサーフィンのメッカ、サーフィン発祥の地であり、聖地でもあります。そんな湘南・鵠沼に、注目と期待を集める女性プロサーファーがいます。日本代表にも有力視されている、水野亜彩子さんです。

フラガールからサーファーガールへ

東京生まれの水野さんは、小学校入学を機に鵠沼海岸へと移りました。公民館で行われるフラダンス教室に通うフラ好きの女の子だった水野さんが、サーフィンを始めたのは10歳ころ。仲良しの友達に誘われて始めたのがきっかけだと言います。

波に乗る楽しさのとりことなり、学校が終わればサーフィンをしに海へ。そんな毎日が続くなか、茅ケ崎で開かれたあるサーフィン大会に出場したことが水野さんの運命を大きく変えることになります。

水野さんの“ホーム”は地元・鵠沼海岸

初めての大会で大失敗!

「初めての大会で勝手がよくわからず、制限時間内に1本も波に乗ることができなかったんです。それが悔しくてたまらなく、“絶対にリベンジしてやる”と。サーフィンに本気で取り組み始めたのは、それからですね」と水野さんは言います。

大会出場に向けて、いっそう練習に熱を入れるようになった水野さんは、地元の小さな大会に数多く出場、良い成績を収められるようになります。中学1年生の時には高知県で開かれた全国規模の大会にも出場するなど、メキメキと実力をつけていきました。

2014年は、なんと年間ランキング2位に!

そんな水野さんのサーフィンは、ほぼ独学だそう。「今はコーチングシステムも整って、専門のコーチに教わるのが一般的になってきていますが、それはほんのここ数年のこと。私はひたすら一人で、海で格闘。たまに友達と一緒に練習をしたり、家でプロのDVDを観たりして研究を重ねました」と水野さん。

そんな努力が実を結び、若干15歳でJPSA(日本サーフィン連盟)からプロデビュー。全日本級別選手権大会 ウィメンズ部門優勝、JPSAルーキーオブザイヤー獲得、ISA World Juniorの日本代表に選出、さらに国内外の大会で優勝を飾り、2014年にはJSPA年間ランキング2位という見事な結果を残しました。

現在もトップ選手として、輝かしい成績を収めている水野さんですが、今の目標を聞いてみると「サーフィンがうまくなりたい」という、サーフィンを始めた当時の原点に気持ちが戻っているそう。「サーフィンは波の大小やコンディションなどの運に左右される部分もありますが、そうした運任せの状況でも常に良い結果を高いアベレージで出せるようになりたいんです。そこで大切なのが、技と技をつなぐフロー(流れ)。スムーズなフローで、“サーフィンで海に絵を描ける”ようになりたいんです」(水野さん)

そんなサーフィン漬けの毎日を送っている水野さんですが、オフの日の楽しみは音楽鑑賞。ヒップホップ、R&Bが好きで、最近特に好きなのは「Joey Bada$$(ジョーイ・バッドアス)」などの海外アーティストに加え、「DINARY DELTA FORCE(ダイナリーデルタフォース)」や「BLAHRMY(ブラーミー)」といった地元・藤沢のアーティスト。「彼らは私と同じ湘洋中学出身なので親しみも感じますし、すっごいカッコいいんです」と満面の笑顔が弾けます。

さて、世界中を大会で飛び回る水野さんですが、地元・湘南の魅力を聞くと「海に入れば、江ノ島、134号線沿いのマンション、そして富士山が見える。こんなに海や山といった自然と、住宅などの生活圏が密着している街って世界中探してもほとんどないんです。有名なサーフスポットでもクルマで海に行くのが普通で、自転車に付けたサーフラックにボードを載せてウェットスーツのまま海へ…というのも、実は湘南独自の光景なんです」

「ほかにもスケボーやBMX、ジョギング、日常の散歩の場など、サーフィンだけでなく色々な人が思うがままに海辺の暮らしを楽しんでいる。ここ湘南は海が生活の一部となった、独自なカルチャーを持っている世界でも稀有な街だと思います」と水野さんは語ります。

また、今後の目標や夢は「競技としてのサーフィンをもっとみんなに知ってもらうこと」と語る水野さん。「競技サーフィンでは、各選手の現時点での得点が放送で実況されているんです。だから下位選手がトップの選手を抜くには何点の技が必要、そのためにはどの波をセレクトして、どんな技を決めるなど、技だけでなく選手の駆け引きがあるんです。それが分かると、サーフィンを観ることがもっと楽しくなるはずです」。

その話はこちらにとっても初耳。サーフィンの楽しみ方を初めて知りました。東京五輪は、こうした競技サーフィンの楽しみが分かるいい機会です。「普段はホームである鵠沼でサーフィンをしています。気兼ねなく声を掛けてください」と、何とも気さくな水野さん。サーファーガールから、トッププロサーファーへと成長を遂げた彼女の、今後のさらなる飛躍と活躍を期待せずにはいられません。

LINE

水野 亜彩子(みずのあさこ)

1993年生まれ。プロサーファー。湘南・鵠沼をホームポイントとする、平成生まれの次世代を担うサーファーガール。若干15歳でJPSA(日本サーフィン連盟)公認のプロサーファーとしてデビューし、「ルーキーオブザイヤー」に輝く。2014年のJPSA年間ランキングで2位を獲得。現在はプロサーファーとして世界中を転戦しながら、期待のアスリートとしてメディアなどでも活躍中。

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