カラダを中から温めて春モードに“温活メニュー” ~後篇「GARA中海岸」
「春に備えて体をあたためてくれる“温活メニュー”」の後篇としてご紹介するのは、昨年春のリニューアルで、新たに潮風キッチンに加わった「GARA中海岸」。本場インドのシェフが調理を手掛けながらも、日本人の舌にマッチした味わいが人気を博すインド料理屋さんです。
スパイスの力で血の巡りを高めて、体をあたためる
今回ご紹介する“温活メニュー”は、ずばりカレー。ただカレーで体を温めるというと、「チリペッパーが効いたカレーを食べて、辛さでヒーヒーとなって全身を温める…」と思いがち。しかし、そうではありません。
「インドカレーには複数のスパイスが使われていますが、例えばカルダモンには整調作用、クローブには胃腸の働きの向上、クミンには解毒作用などそれぞれにさまざまな効果があります。それらのさまざまな効能を持つスパイスを体に取り入れることで、老廃物の排出、いわゆるデトックス効果や血液循環が促進され、自然とカラダがぽかぽかに温まるのです」と店長は語ります。
今回はちょっと贅沢に3種類のカレーが選べ、サラダもついている「デラックスコンボ」をチョイスしました。カレーはクリーミーなバターチキン、そして大きいエビが入ったトマトシュリンプ、そして3種の豆を使ったダルカレーをセレクト。こちらに加えて、単品でタンドリーチキンもオーダー。
注文が入ると、慣れた手さばきでナンの生地を伸ばし、店内にあるタンドール窯に入れて焼き上げます。その無駄のない手さばきは本場そのもの。タンドール窯は非常に高温のため、一気に焼き上がり、すぐにアツアツのナンが出来上がります。
ナンをタンドリー釜へ
ほどなく「お待ちどうさまでした!」
ナンの大きさにびっくり!
それにしても驚くのはナンの大きさ。直径30cm以上はあろうかというお皿にも載りきらず、はみ出してしまっています。これは食べ応えがありそうです。
まずは一番人気のバターチキンからいただきます。バターや生クリームなどを使用したクリーミーで濃厚な味わいの中にスパイスが効いた味は、これぞまさにGARAの味! 辛い物が苦手な方でも安心して食べられ、こちらがオープン以来の看板メニューというのも納得の美味しさです。
皿からはみでる巨大なナン
続いては「トマトシュリンプ」。酸味の効いたトマトたっぷりのカレーに、エビから抽出されたエキスがギュッと詰まったシーフード感あふれる一品。先ほどのバターチキンとはまったく違う、爽やかな後味が美味しく、次から次へと手が伸びてしまいます。
最後に3種の豆を使ったダルカレーをいただきます。ダルとはインドで「豆」を意味する言葉で、こちらのカレーにはロビア、アラハル、チャナダルが使われているとのこと。豆はタンパク質を多く含み、かつ食物繊維が豊富なため便通の改善にも効果がみられると言われています。実はダルカレーは、近年特にマクロビやアーユルヴェーダへの意識が強い、若い女性に特に人気が高いのだそうです。
「実際に、私どものお店で働く若い女性スタッフも、まかないとして豆カレーなどを食べますが、3ヵ月もすると以前より3~5kgも痩せていることも多いんですよ」と店長。なるほど、スパイスだけでなく、豆や野菜が豊富なカレーは確かに体に良い効果をもたらしているようです。
トマトシュリンプ(左)、バターチキン(中)、ダル(右)
皆がくつろげる“家”のようなお店がコンセプト
GARA中海岸は元々、先代が茅ケ崎の中海岸に1996年にオープンしたのが始まり。当時は無国籍料理屋が流行だったものの、インド料理専門店はさほどなかったそう。そこで「まるで自宅で家族や友人と食卓を楽しむかのようなインド料理専門店をつくりたい」との思いでオープンしたとのことです。店名の「GARA」とはインドで家を意味する「GAR(ガル)」に由来しているのだそうです。
スパイシー×ジューシー×ボリューミー
色々なカレーをいただく合間に、単品でオーダーした「タンドリーチキン」もいただきます。タンドリー窯で焼かれ、ほんのりと焼き色がついたチキンはとても香ばしく、食べがいのあるビッグサイズ。口にすると、ほどよくスパイシーでジューシーな鶏肉の味に魅了されます。
こうしてカレー、ナン、タンドリーチキンを交互に食べ続けていると、まだ半分少ししか食べてないのですが、早くも満腹感が…。しかしそこはカレーの偉大な力。食欲を掻き立てる香ばしいカレーの香りにつられて、ついつい手が伸びてしまいやがて完食! ぽかぽかとカラダも温まり、額にはうっすらと汗を浮かべ、お腹も心も大満足です。しかもこれだけ食べても、整腸作用やデトックス作用があると思うと、お腹いっぱいなのも気にならないのがうれしいですね。
今回は“温活メニュー”として前篇・後篇に分けてお届けいたしましたが、いかがでしたでしょうか? 単に温かいものを食べるのではなく、食材本来が持つ力で体を温める、まさに“医食同源”なメニューを2回に分けてご紹介いたしました。今回の記事をご参考にしつつ、体をぽっかぽかに温めて、うららかな春に備えてみませんか?