海からの贈り物でフォトフレーム作りを楽しみ、海のゴミ問題を考えるイベント「海のつながり展」

8月7日(火)〜12日(日)に、テラスモール湘南3階・くらしテラスイベントスペースにて開催されたイベント「海のつながり展」。こちらは「公益財団法人 かながわ海岸美化財団」が主催するもので、なぎさのゴミ問題を知ってもらうパネル展のほか、10日(金)には、海に落ちている流木や貝殻、ビーチグラスを使った「オリジナル・フォトフレーム作ろう!」のワークショップが開かれました。その模様をレポートします。

各地で大行列の人気ワークショップがテラスモール湘南に!

湘南の代名詞とも言える美しい海。その豊かな環境を守るべく、ビーチクリーンをはじめ、さまざまな活動を行う「公益財団法人 かながわ海岸美化財団」。その啓蒙活動の中でも、今回開催されたフォトフレーム作りは人気のワークショップで、毎年横浜で開かれているイベント「GREENROOM FESTIVAL」でも行列ができるほどなんだとか。

まずはイベントスペースに掲げられたパネルを見てみましょう。「海のゴミは7割が海に注ぐ川から流れ出たゴミ」「海岸に流れ着いたペットボトルはリサイクルに回せない」など、地元でもあまり知られていない事実が明らかに。マンガやイラストを交え、海のゴミ問題を的確かつ分かりやすく伝えてくれる展示に、海のゴミ問題を真剣に考えさせられます。

会場に掲げたパネルでゴミ問題を解説

好きな貝殻や流木を貼り付けるだけ

パネルを一通り見終えると、お客様の姿がちらほらと見えはじめました。そんなお客様に笑顔で対応するのが「公益財団法人 かながわ海岸美化財団」の柱本健司さん。フォトフレームの作り方を丁寧に教えてくれます。

フォトフレーム作りはいたってシンプルそのもの。木製のフォトフレームに、自分が気に入った流木や貝殻、ビーチグラスを接着剤で貼り付けてデコレーションをしていきます。カラフルに仕上げてもよし、流木をたくさん使って渋めにデザインするもよし、みなさんのセンス次第で自由に仕上がります。

驚くことにこれらの装飾に使う素材はすべて、柱本さんが一人で海で集めてきたものなんだとか。150kmもの海岸線を熟知し尽くしている柱本さんは「あの海岸には貝殻が多くて、流木ならココで…。」とどこに行けば何が手に入るかが分かっているというからビックリです。「意外とこの小ぶりなサイズの流木はなく、取集した後に煮沸して乾燥させて…と大変なんですよ。」とその苦労を語ります。

柱本さんの説明に聞き入る親子

親子での参加が続々と!

人が人を呼び、続々と会場に人が集まりました。印象深いのは参加者がみなさん、親子連れであったこと。作業自体もそう難しくないので、最初はお父さんやお母さんが手伝いますが、途中からは子どもが好きなようにのびのびと素材選びや配置を考え、思い思いにフォトフレーム作りにいそしみます。

「海から離れた地域に住む人こそ、ゴミ問題を知ってほしい」

このフォトフレーム作りは、ビーチクリーン活動など海をキレイにする活動の一環。海にある漂着物を実際に目にして、手にしてもらい、海のゴミに意識を向けてもらう狙いがあります。ほかにも海のゴミ問題の現状を訴えるために県内各地の学校へと“出前授業”を行っているそうで、特に海から離れた内陸部、座間や相模原などで多く活動を行っているといいます。

「いわゆる海沿いのエリアの方にとってビーチクリーン活動は、高く認識・意識されていてすでに日常として定着しています。しかし一方で、海のゴミの発生源とも言える内陸部は、それほど意識されていなのが現状なんです。だからこそ、そういった方々にも海のゴミ問題を考えてほしいんです。」(柱本さん)

お子さんも海のゴミ問題に興味津々

「とは言え、そうしたゴミに関するネガティブな情報だけを伝えても面白くない。だからこそ、こうしたワークショップなどを通じて“海好き”を一人でも増やしたいんです。」と柱本さんは語ります。

そんな柱本さんの思いを受け止めるかのように、目を輝かせながら長い時間をかけてフォトフレームを作りあげる子どもたち。完成したオンリーワンのフォトフレームを手に満足げな笑顔を浮かべています。

「実際にビーチクリーン活動をしていると、実にさまざまな方が参加していることに気づきます。決まった日にきちんとゴミを分けて置いてあると、『この方はいったいどういう方なんだろうか』と想像してみたり。しかしお互いの顔を知らなくても、ゴミを通じてコミュニケーションが取れている、ゴミを通じて海を愛する人とつながっている、そう考えると不思議と幸せな気持ちになるんです。」(柱本さん)

「“海を好きになってほしい”が一番の願い」と柱本さん

湘南に住む人にとって、海は何よりかけがえのない財産。その雄大な自然の贈り物を、後世に引き継いでいくのは、湘南人にとっての使命とも言えるのではないでしょうか。「初めは簡単なことでもいい。海に来たらひとつでもいいからゴミを拾って帰る。そこから始めればいいんです。」との柱本さんの言葉通り、私たちにもできることがきっとあるはず。まずは、小さな一歩を踏み出してみませんか? それが大きな流れとなるはずですから。

LINE

海のつながり(「なぎさのゴミの問題を知ろう」パネル展/オリジナル・フォトフレームを作ろう!)

[開催日]
8月7日(火)〜12日(日)

[開催場所]
テラスモール湘南3階 くらしテラス イベントスペース

[主催]
公益財団法人 かながわ海岸美化財団

[かながわ海岸美化財団オフィシャルサイト]
http://www.bikazaidan.or.jp/

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